GOVERNOR'S MONTHLY LETTER 2014-2015 地区年次報告​
65/74

65GOVERNOR’S MONTHLY LETTER vol.13第12回Light Up Rotary(ロータリーに輝きを)地区研修リーダー 久野 薫(神戸東)Rotary Breeze“そよ風に 稲田のかおり 山深し” 年間にわたって掲載させていただいたこのコーナーは、今回を以て最終稿となります。 今年度のRI会長Gary C.K. Huang氏のテーマは“Light Up Rotary”(ロータリーに輝きを)であります。「ロータリーは今、輝きを失っているから、もう一度輝かせよう」と呼びかけられているのです。ロータリーはいつごろ、どのように輝いていたのでしょう。どうしたら今一度、輝くことができるのでしょう。このような素朴な疑問が湧いてくるのです。ロータリーにも我々と同じように、心があります。ただ「Ideal of Service」(奉仕の理念)と独特の表現をしているだけです。32年の永きにわたり事務総長を務めたChesley R. Perryの言葉を借りれば,「Ideal of Service」とは“Thoughtfulness, Helpfulness(他人の事を思いやり、他人のために尽くす)”という寛容の精神なのです。心を育むための四つの原理原則があります。①中心概念②個人倫理③組織原理④実践原理であります。この総体がロータリーなのです。中心概念は「親睦と奉仕の調和」であり、個人倫理は「Rotary Code of Ethics」(ロータリーの道徳律)を以って成文化されました。その骨子は①高い職業倫理を持て②職業に貴賤なしと心得よ③黄金律の実践であります。組織原理は親睦を担保するための「一業種一人の原則」、「例会出席の重視」であります。実践原理は「決議23‒34号」で示されました。「利己と利他の調和」、「理論と実践の調和」であります。これらは1930年までの、ロータリー誕生から、わずか四半世紀の間に出来上がっています。そして少なくとも1960年ごろまでは職業奉仕と共に堅持されていたのです。この間こそがロータリーが最も輝いていた時期だったと思うのです。「超我の奉仕」、「最もよく奉仕する者、最も多く報われる」の二つのロータリーモットーが息づいていた、高い職業倫理をもつ職業人の「人つくり組織」だったのです。その輝きこそがRotarian Faceを生んだのです。1960年を過ぎて、特に20世紀末期から21世紀初頭にかけて、相次いで、心を育む原理原則が廃止、あるいは規制緩和されました。それと共に、心はしぼみ始めたように思います。実践の方法は世の中のニーズに合わせて大胆に変化され、2010年にRIから発表された「戦略計画」、とりわけ「人道的奉仕の重点化と増加」がRIの最重要課題になって、今日あります。「NGO法人」化であります。ロータリーは組織でありますから、企業体と同じように「理念」、「目的」、、「目標」をもっています。ロータリーで言う「理念」は「Ideal of Service」であり、「目的」は生活万般に亘る理念の実践であります。「理念」、「目的」はただひとつのものであり、複数であってはいけません。それを実現するための「目標」は複数であり、時代と共に変化します。現在は「戦略計画」であります。少なくとも、日本のロータリーは今、「目標」に追いかけられて「理念」、「目的」を喪失しているかのように映るのです。「理念」、「目的」は本質であり、心眼をもってしかその姿を見ることが出来ません。現象である「目標」には、会員の数とか奉仕活動とか、見える形があります。RIは形あるものを大切にする傾向にあります。本質というものは、見えなくても、そこにあるのです。そう簡単に消え去るものではありません。これが本質の本質たる所以であります。失われたように見えても、いつしか回帰してくるものなのです。私たちは、職業奉仕こそがロータリーの永遠の中心的課題であるとの認識を以って、日々自己研鑽を重ねる以外に、輝きを取り戻すことはできないと思うのです。ロータリー再生の鍵はあなたの手中にあります。 年間を通じて、このコーナーをお任せいただいた、滝澤ガバナーに感謝申し上げると共に、お読みいただいた会員の皆さんにお礼申し上げ、擱筆いたします。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です