ガバナーメッセージGovernor Massage

  1. Home
  2. ガバナーメッセージ

 

ガバナーメッセージ[2023-24年度ガバナー]

2023 - 24年度 国際ロータリー第2680地区ガバナー
Rotary Opens Opportunities

2023-24年度 国際ロータリー第2680地区ガバナー

安行 英文 ― やすゆき えいぶん ―

三田ロータリークラブ

第2回クラブおよび指導者のためのBe Know Do

前回から、組織のリーダー論を連載で掲載しております。私たちには、クラブの活性化のため、なにより組織をまとめるリーダーを強く求められています。「リーダー」とは誰もが備えている資質であり、誰もが参加できるものです。第1回は「Be どうあるべきか」についてお話しました。
第2回は「know」「Do」について説明していきます。


Know 何を知るべきか

 人は、自分が何を行っているか知っている者にのみ従っていこうとするものです。リーダーがフォロワーの信頼と献身を失う最も早い方法は、実行力のなさを示すときです。リーダーは、すべての答えを持っていなければならないということではないのですが、次の4つのスキルについて、あるレベルの知識を持ち習熟しなければなりません。

  • 1対人的スキル・・・人々へのコーチング、教えること、カウンセリング、動機付け、エンパワーメント、そしてチームを形成することです
  • 2概念的スキル・・・創造的に考え、分析的、批判的、倫理的に推論すること。これは健全な判断の基礎となります。
  • 3技術的スキル・・・職務に関連する能力。責任範囲内のすべての職務と機能の遂行に必要な専門知識を含みます。
  • 4戦術的スキル・・・目的を達成するために、交渉、人間関係、予算などを含む戦術的スキルは、目標達成のために必要であると考えます。


Do 何をするべきか

 品格と知識、すなわちBeとKnowは、リーダーが行うすべての基礎であることは先に述べました。
しかし、それだけでは不十分です。リーダーは「Do」行動するのです。
リーダーは、みんなへ目的と方向性と意欲を与えるために、自分がこうであること、自分が信じること、どう行うかの知識、これらすべてを動員します。
リーダーは人々に影響を与え、プロジェクトを達成するために働き、組織を改善するために活動します。問題を解決し、障害を克服し、チームワークを強化し、目標を達成するのです。彼らは、結果を生むためにリーダーシップを使います。
 リーダーは、自己のすべての側面を開発するために注意深く活動します。あらゆる状況で明確な価値観を持ち、それを活かします。この自己開発によってのみ、人は確信と実行力を持つ品格あるリーダーとなるのです。
リーダーであることは楽なことではありません。リーダーシップの挑戦に簡単な解決法などはなく、成功のための近道もないのです。しかし、そのための手段はどのリーダーにも利用できます。それらを習熟して使いこなすのは、リーダーそれぞれにかかっているのです。

 成功するリーダーは、おもに3つの方法で活動しています。統合された目標でチームと組織の人々を引っ張り、結果を達成するために遂行し、組織を前よりも強くするために変革をリードします。
この3つの活動領域は、「影響する、実施する、改善する」となります。

影響する・・・

リーダーは人々を目標へ導くために対人的スキルを使います。影響するとは、判断をして、判断したことを明確に伝え、その判断に従って人々が行動するように動機づけることまでを含みます。直接的または第一線のリーダーは、みんなと顔を合わせながら影響することが多いと思います。例えば、チームリーダーは指示を与え、達成を認め、賢明に働くように励ますでしょう? すべてにおいて、影響するということはチームを形成しチームワークを促進するために欠かせません。

改善する・・・

良いリーダーは、組織を以前よりも良いものにしようと努め、現在または将来の使命遂行能力を向上させるための手段を講じます。リーダーとはすべて、自分と組織が今日良く見えるように短期的利益へ集中したい気持ちになるものです。ところが、自分たちよりも大きな組織へ忠実なリーダーは、自分の行動が長期的に及ぼす効果について考えます。適切な時間と努力を投入して、みんながリーダーとなるように養成し、チーム、グループを改善して倫理的風土を促進します。学習へ集中し自己の向上と組織の成長を求めるのです。リーダーは、積極的にビジョンを描き、適応し、変革をリードします。

実施する・・・

リーダーは、自分の組織の直接の使命と目的を達成するために活動します。詳細な実施計画を立て、その計画を遂行し、みんなに配慮し、資源を効率的に管理します。そして、自分自身と組織の行動について能率と効率を評価し、強い部分を維持し弱い部分を改善するため何をする必要があるかを決定します。

 優れたリーダーは、みんなが成功から学ぶとともに過ちからも学べるように行動します。
そのような風土の中では、人は向上するために働き、学ぶために必要なリスクをとります。もし失敗しても、自分たちのリーダーはその理由を理解しようとし、新しい詳細な指示を出し、もう一度やらせてくれると知っているからです。
 実行力と確信を持つリーダーは、怠慢の結果ではない「正直な過ち」は許してくれます。
 リーダーは、「優柔不断」のために失敗することがあります。優柔不断は致命的であり、他の状況でも失敗へと導きます。
 誰もが問題事項を完璧に解決できない主な理由の1つは、何を、誰を信じたらよいか、自分が実際何をすべきか、確信を持っていないことから起こります。「待てば待つほど、難しい問題が楽になるようなことはない」というのが、厳しい現実です。難しい問題が自ずと解決するだろうと考えるのは、単なる希望的見方です。決定をできるだけ遅くしようと言う者を信じてはなりません。問題解決が難しくなり、先行きが見えないそのときこそ動くべき時なのです。
 難しい問題を解決するとは、実際に細部まで掘り進めることを言います。そうしなければ問題はわかりません。完全に理解し処置できる細部まで抽出するのです。それはまた、何かを行う時それによって影響を受ける者と、考えや提案を持っている者たちを巻き込む必要があるということです。そして、必要な厳しい選択と判断をしなければなりません。

 リーダー開発は、価値観にもとづく、慎重な、継続する、連続的、前進的なプロセスのことです。それは人を「確固たる行動のできる、実行力と確信を持つリーダー」へと養成します。
 最高の価値観を持ち、リーダーの属性を示し、実行力があり、人を活動させるときにはともに活動する、このようなリーダーは成功します。うまいことを言うが、行動でその言葉を示せない者は結局失敗するリーダーです。

次回は「何故価値観は重要なのか」を述べたいと思います。


ガバナー 安行英文